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ガムランボールの製作現場から(2003年当時の記事です…)

 Sayang Baliでは、ガムランボールやアクセサリーは、自社工房と、
信頼の置ける腕利きの職人さんのみによって、ひとつひとつ、全工程を手作業で、作っています。
何度見ても見飽きない、シルバー職人たちの技、
今回ご紹介するのは、ジャワンタイプのガムランボールの作り方です。

まずは、シルバー925*を板の状態に延ばしておきます。

 *(純銀92.5%と銅7.5%の割合に混合したものをシルバー925、スターリングシルバーと呼び、
シルバーアクセサリーのほとんどがこの素材を使っています。
純銀100%だと、柔らかすぎて使っている間に傷だらけになってしまうので、こうして少し強度をつけてあげるのです)
Sayang Baliのアクセサリーは、特別な表記がない限り、すべてシルバー925です。

延ばした板を円形に切り出し(これもはさみで一個ずつ切ります)

その後、この道具で丸く球状にします。
あとでモチーフを作るときも、これで丸みをつけます。
ひとつひとつ叩いて力を込める大変な作業です。



↑これが出来上がった半球。

さらに半球の縁に一周させるように銀線を溶接します。
ふたつの半球をくっつける時にこの銀線を溶接して接着面とするわけです。

さて、ここからが気の遠くなるような作業開始。

ジャワンタイプならではの、細密な細工、実はひとつひとつ銀線でパーツを作ってから、それを張り込んでいくという作業なのです。

横のほうにある黒い容器の中に、伝統的な接着剤が入っています。
バリに自生する木の実を擂って作ります。日本で言うニカワ?見たいな感じでしょうか。とりあえずこれで仮止めをしていきます。
手前の白いものが溶接用の粉。これには、シルバーに対して、真鍮を混ぜたり、銅を混ぜたり、職人さんによって違います。
溶接するとこの粉だけが解けて接着剤になります。



←Budiさんのお父さん。代替わりして今は良きアドバイザー。
めがねをかけながらとはいえ、この細かい作業、いやはやさすが職人さんです。

見てると簡単そうに見えますが、ひとつひとつの銀線をピンセットで貼り付けていく作業は、ものすごい集中力と根気を要します。

こうして外側の半球が出来ていきます。小さな粒々も、銀線を切ってひとつずつ粒を作り、これまた一粒ずつ模様に貼り付けて、さらに溶接。
本当に手の込んだ作業です。


さて、ここからが肝心の『音色』を決める作業です。


ガムランボールの内部はこんなふうに真鍮で作った櫛状の歯が並んでいます。

この櫛状の切れ込みの数や形状が、いわゆる企業秘密です。
きれいに球状に沿うように、本体の中でバランスよく収まるように溶接されていることが、音の鳴る条件。
歯の切り込み方、長さ、本数。それから、歯の起こし具合によっても、音色の良さ、響きの深さが決まります。

 この中にまた金属球(バイクの部品の玉)を入れて、ふたつを合わせて球状にしたものが、Sayangのガムランボールの本体です。
この中で、金属球が転がって、ハープを奏でるように音が出るわけです。

 この歯の微妙な形状の差と、溶接で浮かせる微妙な隙間の差が、ふたつと同じ音のない、世界でひとつだけの音色を作り出してくれるのです。




こちらがこの工房の大将(?)Budiさん。今はサヤンの小さいタイプのガムランボールを一手に引き受けて作っています。
小さなガムランボールは音を出すのも難しいもの、
やっぱり一家の家長、一番重要な部分の溶接や、難しい作業は全部このBudiさんがやっています。

半球同士を溶接する作業は、さらに難しく、ちょっと危険。なぜかというと、もし球の中に少しでも「水分」が入っていようものなら、溶接が進んで、密閉された瞬間、中で水蒸気となって急激に体積を増し、シルバーの球が「ボン!」と破裂してしまうのです。



 いつのことだったか、Budiさんの手には包帯が・・・。もしやと思いきや、案の定、「爆発したのよ〜、もう、びっくりしたのよ〜〜〜」と奥さんのワヤンさん。
 爆発したというガムランボールは、生々しい爆発の名残を残し、ぐにゃり。それでもBudiさんは涼しい顔して作ってくれてる・・・。
職人としての心意気に本当に感謝!
ちょっと「男気」、カッコイイじゃぁないですか。




これが球状にまで仕上がったジャワンタイプのガムランボール。
球状に溶接した後、燻し液を筆で塗って、黒くしてあります。
まだ燻の黒がたくさん残っています。
これからポリッシャーにかけて、一個ずつ磨いていきます。


こちらはアップルのガムランボール。(このモデルは廃番になりました)
こちらも葉っぱがまだついてないですが、
もう、シャランという音は鳴ります。


こうして、ガムランボールは出来上がります。
皆さんのお手元にお届けするガムランボールも、すべてこうして作られています。
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